Ryoma

ペイン・アンド・グローリーのRyomaのレビュー・感想・評価

4.2
ペドロアルモドバル監督作初鑑賞。映画監督である主人公が回想的に自分の人生を振り返る自伝的な回顧録のような作品。現在と過去の記憶が行ったり来たりする構成だけれども分かりやすく観れた。カットごとに変化する彼らが召している衣装のカラフルさが非常に印象的でカーペットや家具などのインテリアも色彩豊かでホントにオシャレだった。情熱❤️‍🔥の国と云われる所以でもあるフラメンコ💃に代表されるダンス🕺や陽気で明るい人柄の印象がいい意味で裏切られる人の心情の機微を感じる穏やかで静かな作品だった。
時には厳格だが根底にはいつでも優しさが溢れていた母への愛、大切な人の喪失、初恋の記憶、別れた恋人、友人との確執など様々な側面から過去の自分に向き合う姿が映し出されていて、アルモドバル監督自身の人生を投影したという主人公が感じうる苦悩が窺えた。主演のアントニオバンデラスの思い悩み葛藤する姿は秀逸だったし、幼少期の母親役であるペネロペクルスの我が子への愛情で溢れた姿も最高だった。


memo📝
アカデミー国際長編映画賞ノミネート(2020年、同年受賞『パラサイト 半地下の家族』)、アカデミー主演男優賞ノミネート(2020年、同年受賞“ラミマレック“『ボヘミアンラプソディー』)、カンヌ国際映画祭主演男優賞受賞(2019年)
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