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ペイン・アンド・グローリーのCinemanのレビュー・感想・評価

4.0
アフモドバル映画のアントニオはいつだって、スペイン郊外の広場でヤクを買おうとしてるな..(『アタメ』のこといってます..)

監督自身を反映したことが織り込み済みの、劇中劇のような映画監督の反省ものは数あれど..
ニューシネマパラダイスのような爽やかな人生巨編ではなく、こちらは8 1/2タイプでした。まあ、アルモドバルだからね、そこは。そしてあそこまでカッコつけてはいない。
スペインという場所と、アントニオの可愛げと憎めなさが、このアルモドバル版8 1/2の風合いを決定付けてた。
そう..なんか別のアルモドバル映画の時も、アントニオ・バンデラスはどことなく、マストロヤンニ的だと思ったことがあったんだよなあ。しかもフェリーに映画なんかに出てる時の。
あの勘は間違ってなかったなあ。
最新作の主人公に、アルモドバルはペドロ・パスカルを持ってきたけど、ああ一貫してるなあ、と。
子犬の目のような可愛げと、高すぎない背丈、自然体の絶妙な軽やかさ..
そう、これは系統は違えど、ウォンカーワイ映画のトニーレオンもこの類なんだよなあ。カーワイが年齢重ねトニーから今距離を置いて、新たな「ミューズ」を模索中みたいだけど、どうもしっくりこない。
ペドロは上手くいきそうだなあ、とか。
そうしてみると、アルモドバルもフェリーにも、カーウァイも自身のペルソナに共通点があるのかなあと。
今作のアントニオの髪型ときたらまあ、アルモドバルを再現しようとしたことがくっきりw 実際、年取った今2人が横に並ぶと、驚くほどなんだか印象が似て見えるのが不思議。
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