Halow

人生は小説なりのHalowのレビュー・感想・評価

人生は小説なり(1983年製作の映画)
3.8
過去は「調和だけの空間の中で一つの不調和が起きる」話で、現代は「不調和だらけの空間で、一つの調和が起きる」話。「人生は小説である/ではない」という対比も、これと呼応しているように思える。
なにか観念が立ち上がると、それに対抗する観念が現れ、どんどんズレていくという原理が作品に一貫しているが、ただそれが具体的なドラマを形成することはなく、総体として「観念の対立という観念」のようなイメージが残った。3つのエピソード全てにどこかのピースが欠けているような印象を持ってしまったが、それもわざとなのかもしれない。
混乱した映像の中で自由に振る舞い続ける子供たちが、終始強い存在感を放っていて良かった。
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