ふじこ

レベル16 服従の少女たちのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

レベル16 服従の少女たち(2018年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

服従、純潔、清潔を重んじる外のない学校で生活する少女たち。
外の世界は見たことがなく、いつか里子として迎えられて立派な社会生活を営む事を期待している。
年齢が上がるに連れて、授業のレベルが上がっていきレベル16が最高とされ、主人公ヴィヴィアンは遂に最終学年を迎える。
しかしかつて彼女を助けたが為に罰を受ける事になった同級生ソフィーと再開し、彼女が"ビタミン剤だけは飲んではダメ"と忠告してきた事から、この施設の秘密を知る事になる…。


ってお話。
謎の施設、すき…。ディストピアもので、純粋培養で育てた彼女たちと人格でも入れ替えてお金持ちの若返りを図っているのかな?って思っていたんだけど、中途半端な施設と技術力で紫外線に当たる事なく規則正しく生活していた16歳の少女の顔の皮を剥いで移植する、ってものだった。
…や、じゃあ一番年齢が出ると言われる首は…?首もセーフだとしたら、次に年齢が分かりやすい手は…?
全身入れ替えなきゃ意味がない上に、顔丸ごと変わっちゃうというガバガバシステムで運営されているのに、どうやら施設を運営している女もまた身内に搾取されているらしくてカツカツの運営状況。
そこに、かつて目が悪くて朝のルーティーンである洗顔の石鹸を落とし、助けてくれたヴィヴィアンが懲罰を受ける事を見なかった事にして過ごしてしまった事を後悔しているソフィーが、今度はヴィヴィアンを助ける側に回る。
"ビタミン剤"を飲むとみんな一斉に眠りに落ちる事、その間に身体を別の場所に移されて支援者と呼ばれる人達に物色される事、選ばれた子は帰ってこない事、眠らされている間に看守が身体を触ってくる事、眠っている間に別の部屋のグループが目覚めてそちらが朝のルーティーンをやっている事、全部で4グループあること、など。
彼女は13レベル=13歳辺りからその事に気付いていたらしく、脱出の機会を窺っていたものの上手く行かない。
10歳の時にヴィヴィアンを見捨てて罰を受けさせてしまった事を後悔しており、積極的に接触してくる。

典型的なB級のアレだろうなぁ、って思ってたけど、そんなに悪くなかった。

ただ最後施設を脱出して、悪そうな奴と医者に追い詰められてどうなるのかなあって思ってたら商品価値の全てである自分の顔を傷つけるところまでは分かる、でも誰がどうやって警察を呼んだのかも分からず、そこだけモヤモヤしたかな…。外を見たこともなければ、文字も読めないのに。必要ないから。顔の皮だけが必要な商品だから。

まぁ実際に100%成功するもの、好みの顔を選べる、16歳時点からの皮膚の状態を保てる…とか色々若返りの条件が揃っているのなら大金を出すお金持ちもいるだろう、と思うんだけど…。施設がガバガバすぎる。
めちゃくちゃ手間かけて育成している割に単価が安いのか、途中で唐突に入る"もっとやれと言ってる"→"完売間近なのに?"みたいなやり取りや結構切り詰めてやってるっぽい台詞の通り、誰かに強要されてるっぽいけど…。
そこら辺のガバガバ具合と説明のなさが勿体なかったかなぁ。実際ガッチリ管理されていたら抜け出すどころの話じゃなかったとは思うんだけども。

貧困の親から買い取って、女の最大の美徳は従順であると教え込んで…までは面白かったんだけど、顔の皮剥いで使うだけなら本人の資質なんてどうでもよくない?紫外線に当たらず規則正しい生活さえさせときゃ良いんだから。
なんか色々勿体ない作品だったと思う。
なんか変に現代の、強要されてやっている貧乏施設、とかの設定は捨てて、脳の移植で体ごと乗り換えられるって方がいっそスッキリしてたんじゃないかと思う。
ふじこ

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