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82年生まれ、キム・ジヨンのArbuthのレビュー・感想・評価

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)
4.5
冒頭の義実家に新年の挨拶で訪れるシーンからもう全力でしんどかった。はじめから終わりまでずっとしんどい映画。

「学生」「お嫁さん」「女性社員」「育児中の母親」…様々な立場における女性のしんどさをキムジヨンの日常を通して教えてくれる。
こんなにもあるのか、とうんざりしてしまうほど。
自分の妻にはジヨンのような思いはさせたくない。
しんどかったけど、観てよかった。

82年生まれのキムジヨンが20代後半〜30代前半に見えることから、この舞台はおそらく2012年前後かな?今から約10年前。今はもっと状況がマシになっていてほしいけど、どうなんだろう。

ふりかえって日本はどうだろうか。今の日本はこの頃の韓国よりは良い状況、そう思いたいけど身の回りで認識できてないだけで、実際これと似たような状況は全然あることなのかもしれない。
つい最近も元JOCの会長がまた問題発言かましてたしな。
でも男の意識がどうというよりも(勿論それも大きな問題だが)そもそも社会構造が問題だらけなんだよな。じゃあどう変えれば、、、うーんと映画観ながら考えに耽ってしまった。

去年の『はちどり』観た時も思ったけど、韓国の家父長制とか男子偏重制度は本当に観ていてしんどくなるなぁ。女性だけじゃなく男性にとっても生きづらいものだと思うんだけど、、、

でもジヨンの女系家族がみんな理解ある人で本当に良かった。他人の痛みが分かる人は優しい。この映画の一番の救い。
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