結婚・出産を機に仕事を辞め、キャリアを失い、日々子育てに追われ、孤独と虚無感から心の病を患ってしまう女性のスクラップアンドビルドな物語。
社会や家庭における分かりやすい男尊女卑だったり、セクハラだったり、
「女は子供を産むべき」
「家庭に入って旦那を支えるべき」
という、現代にはそぐわない価値観に苦しむ描写がたくさん出てくる。
女性だけじゃなくて男性が育休を取ることに対しての批判の目だったり。
この映画は、女性は特に自分の人生やら家庭環境やら母親やらを照らし合わせて考えてしまうと思う。
私自身も、もう映画の感想通り越して、自分のことを考え始めちゃうからキリがないテーマ。
最初はこの映画見て、
「いや、この主人公けっこう恵まれてない？こんなレベルで病むんか。。？」
とか思ってしまったけど、後から色々考えて、
「これって、主人公みたいな状況に置かれてる女性を追い詰めてる側の人間の考え方なのでは。。。」
と思って自分に引いた。
私自身はハラスメントとはわりと無縁の会社（たぶん）で勤務してて、なにより結婚・出産していない。
だから、結婚・出産している女性が置かれている様々な状況や気持ちを完全に理解する事はどうしてもできない。
たぶん、理解できる気になってるだけ。女性の数だけ生き方も価値観も様々。
『結婚・子育てしている女性が、社会復帰してバリバリ働けることこそ、良きことである』
という考え方が、全て正しいわけでもないだろうし。
働くのが苦手で、専業主婦が向いてて、家事や子育てが大好きで、夫や家族を支えることに生きがいを見出す女性だってたくさんいる。どれも正しく、隣の芝生はひたすら青い。
ただ、自分の母親を見てて思う事は、
女性は結局、結婚する男性によって人生左右される部分がやっぱり大きくて、今は良くてもいつか逃げたくなる時が来るかもしれない。その時、自分で生きていけるだけのお金と仕事と居場所は絶対に持っていたい。
女性は強い！女性の方がたくましい！
って風潮あるけど、世間が思ってるほど女は強くないし、それもある種の呪いだと思ってる。
