どぅぐ

82年生まれ、キム・ジヨンのどぅぐのレビュー・感想・評価

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)
4.0
女性が結婚、出産後に直面するであろう様々な苦難とその葛藤描いた物語だった。

韓国は、儒教的な価値観が根強いため、
日本よりも家族の繋がりを特に大切にするとよく聞く。
また、息子は娘よりも大切にされ、
嫁いだきた「嫁」という存在は、常に働くものという文化的な固定観念があり(祖母の話を聞く限りかつての日本もそうであったという印象)、
この映画の中でも、その点は特に色濃く描かれていた。

傍から見れば「幸せな妻」に見えても、
本人は、閉塞感や圧迫感に苛まれていることがある。
仕事を続けたかったかもしれない。
追いたかった夢があったかもしれない。
それでも、子供のため、夫のため、色んなことを諦め、溜め込んでいる女性がこの世にどれほどいることだろう。
そんな想いを馳せた。

自分には姉がいる。その姉は3年前に結婚をした。正月は、毎年、夫の家族と過ごしているそうだ。
まさにこの主人公と自分の姉を重ねてしまった。
姑や兄夫婦との関係は良好だと勝手に思っているけれど、それは姉が、実父、実母、弟の自分に
真実を伝えていないだけなのかもしれないと考えさせられた。
もしそうだとしても、手助けは出来ても、直接支えられるのは僕らではなく、夫の役目だ。
この物語の夫役は、包容力があって、育児にも前向きで、ただ1つ欠点があるとすれば、母親に強気に行けないというところ。

それでも、最後は希望を見出していくストーリーだった。
自分は社会派の映画をあまり見て来なかったが、これを機に見ていきたい。
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