TAMU

G殺のTAMUのレビュー・感想・評価

G殺(2018年製作の映画)
3.5
G殺は原題と同じなのでどう読むのか悩む所であるが、上映後の監督参加のQAでどうやら日本の自殺とも掛けてるらしいことが分かった本作。

そして香港の若手ぽっちゃり系監督のデビュー作。あの風体でこんなダークな映画作るんかと一番の衝撃。

冒頭。ある日のアパートの一室。G線上のアリアを奏でる男、何故かその傍らではセックスにいそしむ男女。すると、その場にどこからか女性の生首が転がってくる。

あかんやつや💦 と思ったものの、その部屋で起こった出来事が香港に根付く様々な闇を通じて明らかになっていく。

暴力、貧困、イジメ、性欲、搾取する側とされる側の人間たちが、嫌な感じで次第に繋がり始める。

全体的にダークな絵柄で、テンポ良い演出とダウナーな疾走感ある音楽が力強く、次々に開かれる救いのない世界に見てるこっちもグイグイ滅入ってくるw

監督は今の香港を切り取った、良いと思う人も悪いと思う人もいると思う。皆さんで感じてもらえたら、とのこと。

日本も人のこと言えんけど、香港も1度落ちると立ち上がれない窮屈な社会、疲弊してますなー。

クズな大人たちが聡明な人々の光を奪っていく。それを罰する事なく弱者の泣き寝入り感が際立った着地点に見えてしまったのが少し残念。
TAMU

TAMU