明石です

紅い服の少女 第一章 神隠しの明石ですのレビュー・感想・評価

3.4
モーシンナアなる山の神が少女の姿をして山を降り、人をさらっているとの噂。近所の老人、恋人のお婆ちゃん、そして恋人本人がたてつづけに失踪したことで、ラジオDJの女性がラジオを通して情報を集め、彼らを捜しに森へ入る。私の中ではイマイチ当たり作が多くない印象の拭えていない台湾製ホラーの一作。

なぜか恋人との結婚を拒み続ける(ラストへの伏線になってるらしい)主人公と、お婆ちゃんにべったりなお婆ちゃん子なのに、そのお婆ちゃんの家を抵当に入れてマンションを買おうとする恋人と、かなり重めの人間模様に序盤から心掴まれる。見たくないけど、開いた指の隙間からチラ見したくなるようなドロドロした人間ドラマはけっこう好き。ただちょっと重すぎか、と思っていたら、マンションの守衛兼霊能者らしい癖ツヨ爺さんが出てきて良い感じに中和される。「モーシンナア様よ、山に帰れクソヤロー!」

後半、行方不明になった恋人を探して山に入って以降の展開は色々と起こりすぎて何が何だか。とりあえず、夢と効果音とCGIに頼るのはホラー映画における三大安っぽ要素なのかもなあと本作を見ながら思った。ストーリーに手を抜くと、この三つに頼りたくなるらしい。翻って言えば、私がサイコホラーを好きなのは、こういうのに頼るのが難しいから、というのもあるなと。人怖にはそもそもの設定の時点で無数の縛りがある。だからシナリオを工夫しなきゃいけない。

ラスト付近の急展開にはやや興味をそそられた、けど、何が何だか、という全体的な感想は変わらず。とかく、全ての謎が明かされるのは第二章とのことで、きっかりした評価はそちらを併せて観てからですね。
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