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フェアウェルのかずシネマのレビュー・感想・評価

フェアウェル(2019年製作の映画)
3.7
本人に言うか、言わないか。
これはもう本人の性格による…としか言えないと思う。正解なんて無い。
お父さんやお母さんが言っていた様に、物凄いショックを受けて苦しんで何もできなくなってしまう人、ショックを受けたストレスのせいで残った時間がもっと減ってしまう人だっている。
つまり「知らぬが仏」ってやつ。
そうでなく逆に、目一杯楽しもうとしたり、何かを残そうとしたりする人だっている。

何事もそうだけど、自分自身の価値感・自分にとっての正解が、誰にとっても正解であるとは限らない。
「東洋と西洋の違った価値感」という分かりやすい題材を用いて、上記した様な事が最も言いたい作品かと思った。

また、こちらは監督の実体験を元にしている作品という事で、個人的に思い浮かべた事がある。
ルーツが2カ国以上にまたがっている場合に「ルーツのあるどの国でも、その国の言葉や習慣に対して中途半端になってしまう」と、実際に言っていた人の事を。
その人は、両親それぞれの出身国、自身が生まれた国、育った国、現在住んでいる国が全て違う。
作中でも主人公は「中国語(を喋るの)が下手で」「中国語が読めない」という場面がある。
それを簡単に「大変そう」なんて言っちゃいけないと思うけど、他にどう形容して良いか分からない。

「人生は何を成し遂げたかではなく、どう生きたかが大事」…って他でも聞いた事がある。歳を重ねたらそう思う人が多いのだろうな。

しかし序盤の「アンタは顔に出るから帰っちゃ駄目」はかわいそすぎる。。
ばあちゃんのこと大好きなのに。
中々会えなかったなら余計に会いたいに決まってるやんな。
そして結局皆、似た者家族で顔に出てるしw
だからなんとなく思うんやが、ばあちゃん、分かってたかもなぁと。

ところで、プロの泣き屋を雇うのって中国もなんだな。韓国は知ってたけど。
そして結婚式は出席者が皆ごく普通の普段着なんやな。
勉強になったわ。

回転テーブルで親族一同が食事をしているシーンが面白かった。
それぞれの国の価値観、国から出た人から見た祖国、息子を出そうとしている人、単なる張り合い…etc
あのヒリヒリした雰囲気が、何かリアル。

行きと帰りとで、同じ景色が違った色に見えていただろう描写も良かった。

そしてとりあえず、アイコちゃんお疲れ様、と思うw
オークワフィナがすげーストレートネックだったのはわざとなのかな。
あと、大人が「ニウニウ ニエニエ」は確かにアカンと思ったw
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