ぴよまろ

フェアウェルのぴよまろのレビュー・感想・評価

フェアウェル(2019年製作の映画)
3.4
大好きな祖母が余命3ヶ月と知り、ニューヨークに暮らす主人公と家族たちが故郷である中国に集まり、祖母に余命を伝えるかどうか、家族が文化の違いに葛藤しながら進んでいく物語。

余命宣告を本人に伝えるかどうか、その葛藤と、文化の違いの物語でした。個の意思を尊重する欧米の考えと、個人の命は家族の一部という中国の文化の違いの間で、では祖母にどう接するべきか、というテーマがとても面白いです。誰もが祖母のことを考えているけれど、どうするのが本当に祖母のためなのかの葛藤が、主人公ビリー演じるオークワフィナの繊細な演技で伝わってきました。結局彼女と家族の行動が正解かどうかは分からない表現も含めて、家族愛を感じられるのは素晴らしい。(最後の実話ネタバラシはずるい笑)

主人公ビリーはおばあちゃん子で、出身は中国ながら考え方や暮らしの基盤はニューヨークにある。30歳という年齢で将来も定かではないという設定が効いていて、そんな孫娘に対する祖母の「人は何を成したかではなく、どう生きたかが大切」という言葉が染み入ります。ビリーもナイナイも最高です。

単純な余命宣告ものではなく、背景にある文化の違いをとても感じさせてくれる作品でした。
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