アー君

フェアウェルのアー君のレビュー・感想・評価

フェアウェル(2019年製作の映画)
3.4
A24配給。映像にトーンを抑えたフィルターが気になったぐらいで、物語は淡々と和やかに進行するのため重さがなく、異文化を知ることもできて品が良く好感が持てる作品であった。

監督のルル・ワンは中国生まれの米国育ちである。彼女は中国人でありながら母国の文化に違和感を感じたため、客観的にこの映画を描きたかったのだろう。

がん告知の問題は国、地域的な違いもあるが、個人間にもある。私自身もサバイバーであり当事者の経験としての見解であれば、伝えてもらった方が将来へ向けた覚悟の準備ができた。

ある意味この作品は彼女の実話を脚色した私小説ならず”私”映画である。厳しい物言いかもしれないが、人生は一度くらいは経験から物語を作ることは容易である。次回作に期待をしたい。
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