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フェアウェルのhitomiのレビュー・感想・評価

フェアウェル(2019年製作の映画)
4.7
自分を見ているかのような作品でした。
大好きなおばあちゃんを蝕む病気と、文化の違い、アイデンティティの模索。また好きな作品に出会えて嬉しいです。

オークワフィナの絶妙な表情の仕方と、頭出して歩く癖が本当に大好き。笑
なーんか親近感湧くんだよなあ。

そしておばあちゃん。めちゃくちゃ普遍的なおばあちゃん像だなと思います。わたしのおばあちゃんにもそっくり。笑
家族が絶対大切で、家父長制を信じていて、結婚することが人生の1つ目のゴールで、孫に甘くて、優しいんだけど厳しくて。
わたしの祖母は命に関わる病気な訳ではないけれど、少しずつ老いて力弱くなっていっているので、なんだか少し先の自分を見ているようでなんでもないところで涙してしまったりしました。

ストーリーは予想通りだったけれども、展開が意外と普通で、変に劇的じゃなかったのがものすごくよかった。お涙頂戴ではありません。それがいい。


ここから若干ネタバレあります。










映画の中での食事のシーンって結構「絆」を示しているのかなと勝手に思っていて、自分以外が作ったものを食べるって、信頼の証だと思うんですよね。食材がきちんと調達されているかどうかとか、味付けが好みかどうかとか、ある程度の清潔感があるとか、そういうものが信頼できるから自分の体内に取り込むわけで。
だから意見の相違はあるものの毎回みんなで食卓を囲むシーンがあるのはやっぱり「家族」という絆をものすごく大切にしていて、愛がある証拠だと思う。
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