シネマスナイパーF

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコのシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

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お話を楽しむというより、作品の特性をじっくりと味わうタイプの映画なので、Filmarksのあらすじに書いてあることで大体の内容は分かる

劇的な展開はほとんどないんだけど、どの場面も大体覚えてるし直ぐに思い出せる不思議な映画
とても美しい映画ですねこれ

現代的だけども、いつのどこの誰にでも伝わる物語でもある
自分の血が流れているような、出自の誇りを纏うような家に愛着を持ち続け、変わり続けるこの街で変わらず何気ない日々を幸せに過ごすという話
なんでしょう、凄く地味でシンプルな映画なのに、これが凄いとかを上手く言い表せない
でもとてもいい映画なのは確か
繊細なんですよ何もかも
特にジミー
やってることは普通にアウトローなんだけども、純粋に何の悪意もなく自身のルーツに対して愛を持って行動してるだけだし
モントはモントでやたらと優しすぎる
中盤起こる出来事で少しだけ派手に物語が動きますが、その時も彼はあまりに優しすぎる激しさでジミーに当たる
こういった中心の人間の繊細さと、スクリーンに映るサンフランシスコ、そしてサントラ欲しくなること必至の素敵すぎる音楽が、この映画を忘れ難いものにしている
サウナのシーンとか今年観た映画の中でも屈指のニコニコシーン


語るよりもとりあえず観て欲しい系の映画でした
間違いなくオススメではあります