sheepman

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコのsheepmanのレビュー・感想・評価

3.8
恥ずかしながら、この作品を観るまでサンフランシスコにおけるジェントリフィケーションの問題を知らなかった。よく考えてみれば、お馴染み『フルハウス』の一家も裕福な白人家庭である。
元々その街に息づいている人々の暮らしや文化を追いやり、あまつさえそれらのイメージを利用して金儲けを画策する大企業。そんなのこの高度な資本主義社会においては仕方がないことだ、と我々は本当に心の底から割り切っていいのだろうか?
劇中で流れる「花のサンフランシスコ」でも歌われているように、サンフランシスコと言えばフラワームーブメントの中心となったカウンターカルチャーの街である。そんな街が再開発、高級化されてゆく様は渋谷のミヤシタパークの姿にも重なる。文化とはそれらに敬意を払うことをせず、ただただ金儲けがしたいだけの肥えた連中のものでは決してない。
sheepman

sheepman