アー君

ラストブラックマン・イン・サンフランシスコのアー君のレビュー・感想・評価

3.1
ブラッド・ピットがオーナーのPLAN B製作、そしてA24配給の映画となれば期待をせずにいられないでしょう。というわけでサブスク鑑賞。

映像は暖色系がメインでとても美しく映っており、おそらくノン・フィルターで撮っているのではないだろうか。また構図や計算されたライティングで優秀なカメラワークであった。2人の黒人男性が主演のストーリーではあるが、やや群像劇にも近い描き方をしているので、これはあまり意識的に物語を追わずに鑑賞するとこの映画の素晴らしさ分かるのではないかと思う。良い意味で「ムーンライト」の弟版として鑑賞をした。
(最初は家の事で何グダグダこだわってるのかなと思ったけど、途中でスイッチを切り替えた。)

揚げ足取りになるかもしてないが、この映画の宣伝用ポスターが余りにも中身と合っていなかった。あのようなヴィジュアルだと、刑務所が舞台の脱走映画みたいに思ってしまったので、もう少し洗練されたデザインにして欲しかった。

そしてアフリカン・アメリカンが主人公の映画は最近この手の雰囲気の撮り方が多い。最初にも述べたが、今回は2つの製作会社が携わった過去の作品である「ムーンライト(PLAN B•A24)」と「WAVES(A24)」を足して2で割ったような感じもした。

悪手だとは思わないが、アメリカの映画業界は過去のヒット作をデータ的に分析して作っている感じがして面白さがなく保守的である。黒人が主人公の映画がやっと評価されてきたので仕方がないのかもしれないが、次回はこのタッグで一歩でも突き抜けた映画を観てみたい。
アー君

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