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ゲキ×シネ 『修羅天魔 ~髑髏城の七人』 Season極のnanaのレビュー・感想・評価

3.8
いのうえ歌舞伎

360度客席が回転する円形劇場のライブビューイング。 

髑髏城の七人はseasonごとに毎回違うキャスティングで楽しませてくれます。
キャストで少し内容が変わる事もあり、それを観るのが毎回楽しみです。

今回は「極み」
主演に天海祐希を迎え、普段の髑髏城とは少し趣きの違う物になっています。


今回は天海祐希を観る作品だと感じた。
元タカラジェンヌの堂々した舞台でした。

織田信長公を愛したらん。
現在は流しの女郎。
元信長公の影武者で悪魔のような天魔王(古田新太)に翻弄される。
悪を打つ正義感と揺れる女心。
天魔王は本能寺で生きのびた信長なのか?


無界の里の女形太夫、夢三郎(竜星涼)
この人の父親への愛が切なすぎた。
裏切られ、命を奪われようにも「それが父上らしさ」と最後まで天魔王のために戦う。
この殺陣は見せ場。
竜星涼、素晴らしい。

再びこの世を戦乱の世に陥れようとする悪党、天魔王。
これを演じた古田新太の色気。
舞台好きがこの人に熱狂する理由がわかる。
他の髑髏城の鉄斎役よりこちらが嵌まっている。

極楽太夫(天海祐希)
個人的には…
天海祐希が天海祐希すぎた。
綺麗だし、妖艶な笑みも浮かべるのだが元気過ぎる。
何をやっても天海祐希に見えてしまう。
圧倒的な存在感のせい?
体のしなや、声の出し方、歌も。
凛々しい太夫。
この人はキャリアウーマンのような役の方が似合うなぁ、と感じた。

会って極楽、遊んで地獄
男殺しの極楽太夫

男を骨抜きにする関東一の女郎より、頼れるアニキ姉さんみたいで。
いつものドラマを思い出す。

しかし、後半のスナイパーは流石だった。
この辺りから呑み込まれて行き、この作品を観に来てよかったな、と思う事が出来た。
オーラが違う。
他のキャストと違いすぎて舞台上に違和感が生じているような気さえする。
大スター天海祐希。
彼女のファンの方には堪らない作品だろう。

「髑髏城はもういいよ」
そう言っていた古田新太を
「どうしても古田さんと髑髏城をやりたい」
と天海祐希からの熱心なアプローチで実現した今作。
この二人の壮絶なラストシーンは圧巻でした。


兵庫役の福士誠治が良かった。
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