膝の皿

いなくなれ、群青の膝の皿のレビュー・感想・評価

いなくなれ、群青(2019年製作の映画)
2.4
数年前に観た記憶があるもののほとんど覚えていなかったのでもう一度観てみたが思っていたよりも酷かった。
原作のある作品を実写映画化するにあたって反面教師にするべき部分がかなり多い作品だと思う。

まずセリフが全部いかにもセリフ〜って感じの臭いセリフばかりで、アニメならまだ見れたかもしれないが、実写映像で見た時に、実際の人間がそのセリフを吐いている姿があまりにもリアリティに欠けすぎてて違和感がすごくて感情移入しづらかった。この時点でそもそも実写映画化するべき作品じゃなかったんだろうなと思う。ただこのセリフのわざとらしさはもしかしたら終盤の展開への伏線だったのかもしれない。でもそれにしてもちょっと見てられないくらい全セリフがキツかった。

それと作中何度も「第◯章」みたいな感じでいちいち区切るから、映像で観た時にテンポも悪いし綺麗な繋がりになってないしで構成がよくなかった。一本の映画にするのだからちゃんと映画用の構成にするべきなのにそこまで原作通りのままにしてしまったのか、もう少しどうにかできただろと思った。CM挟んでるんじゃないんだから。
あと終盤で登場人物がある謎に気づくが、それに何故気づいたのか、そこまでの過程や思考が全くといっていいほど描かれてなくて酷かった。
原作未読なので原作ではどうなのかわからないが、この映画的にはいらないキャラクターも多かったし、匂わせておいて最後まで回収できない要素なども多く、終わり方も中途半端で、何故これをこの尺で映画化してしまったのだろうという感じ。

暗めの空気感でありつつも綺麗な映像などはよかったが、所々その空気感や映像と登場人物のテンションやBGMが合っていない部分があったし、設定自体も悪くなかったが結局それら以外全てが残念な感じだった。
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