「僕はこの人が死んだ時、泣くんだろうか?」
仕事一筋のお父さんが突然会社を辞めちゃったから…さあ、大変!
父の気持ちを知りたくてゲームの世界に誘い込む…名付けて「光のお父さん計画」ミッション開始!
父が死んで10年以上経つ。
私めは父から叱られたことがない。
かと言って、褒められたこともない。
早い話が会話がなかった。
ずっと父は息子に興味がないと思っていた。
何かの相談に乗ってもらったことない。
アドバイスをもらったこともない。
一緒に遊んだ思い出もない。
癌を告知され、亡くなるまでに数年あったが遺言はおろか思い出話も聞いたことはない。
「後は頼んだ」と託された覚えもない。
亡くなった時も涙は出なかった。
生前の父との会話を全部足しても、娘と私めの1週間分の会話にもならないんじゃなかってほど触れ合いがなかった。
私めと父は別に反発していたわけでも、仲が悪かったわけでもなかったが、現実の父と息子なんてそんなもの。
ゲームの中でなら分かり合える。
ゲームのキャラなら正直になれる。
ゲームの世界なら本音で話せる。
ゲームの敵なら一緒に戦える。
父が生きているうちに この映画と出会えていたら、もう少し父と正面から向き合えていたかもしれない。
抗がん剤の点滴をしながら、喫煙室に通っていたワイルドな父🚬
そんな父と何処か似ている吉田鋼太郎の仏頂面からチラッと繰り出す悪戯っぽい笑顔が、忘れていた記憶を呼び戻し、センチメンタルな気分にさせられる。
そして、今ならわかる。
家族を守るということが、どれほど大変なことだったか。
もうすぐ父の命日だ!