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嵐の中でのkuuのレビュー・感想・評価

嵐の中で(2018年製作の映画)
3.8
『嵐の中で』
原題 Mientras dure la tormenta.
製作年 2018年。上映時間 129分。

25年前の少年を救ったことで現在の自分の人生が変わってしまった女性が、存在の消えた愛娘を取り戻すべく奔走する姿を描いたスペイン製SFサスペンス。
アドリアーナ・ウガルテが主演を務め、チノ・ダリン、ハビエル・グティエレスが共演。

1989年の嵐の夜。
隣人男性が妻を殺害する現場を目撃した少年ニコは、男性から逃げようと外に飛び出し、車にはねられて死んでしまう。
25年後、看護師のベラは夫ダビドや幼い娘グロリアと一緒に、ダビドの友人アルトルの近所の家に引っ越してくる。
そこはかつてニコが住んでいた家で、アルトルはベラたちに25年前の事件について話す。
その日の深夜、嵐の中で時空にズレが生じ、ベラは古いテレビを通じて事件直前のニコと対面する。外へ行かないよう忠告してニコの命を救うベラだったが、翌朝目を覚ますと、彼女の人生はすっかり変わっていた。。。

今作品中

雷に打たれた時計台は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と同じ10時4分に停止しています。

スペイン発のミステリー・フィクション映画。
『バタフライ・エフェクト』3部作のベースとなったバタフライ現象のアイデアを基にした革新的な映画の一つかな。
つまり、どういうわけかごく短い時間、誰かが過去とコンタクトを取ることができ、ただ傍観者になるのではなく、何か小さなことを変えることを選択すれば、この小さなことが未来のあまりにも多くのことを根本的に変えることができる。
こないなように、主人公はある嵐の中、アナログテレビと接続したカメラを通して、過去の放送を受信し、放送できることを発見する。
しかし、もし彼女が25年前に起こった何かを変えることを選ぶなら、それは彼女自身の人生のすべてを変え、彼女が覚えていない人生、しかしその変化のために失った人生を覚えている自分自身を見つけることになる。
すべての真実を知ったとき、彼女は過去と未来の両方を変える重要な決断をしなければならなくなり、それはすべて彼女が過去のつながりをどうするかによる。
今作品は、アメリカの『バタフライ・エフェクト』3部作とは異なり、シリアスでよくできた映画で、おそらくスペイン産でもまぁ優れた作品のひとつかな。
面白かったですわ。
余談ながら、映画中、ニコが、パフベストとジーンズという服装でウォークマンを聴きながらスケートボードをしている姿が映し出されています。
この組み合わせは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)でマイケル・J・フォックスが演じたマーティ・マクフライを明確に意識したものやろし、また、映画『サイコ』(浴室のシーン)や、『裏窓』(窓から隣人をこじ開ける)、そして『めまい』(高所から体が落ちる)など、ヒッチコック作品への引用が多いし、まだまだ見逃てんのがあるかもです。
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