ハル

嵐の中でのハルのレビュー・感想・評価

嵐の中で(2018年製作の映画)
3.8
過去と通信したことにより、本来死ぬ予定の子供ニコを救い、自身の子供グロリアが消えてしまう運命に巻き込まれるタイムパラドックス系SFスリラー
嵐の中、テレビがキーアイテムになるという設定は一見ありきたりだけど、そこからの展開が面白かった。
通信後、ベラの意識が途絶え目覚めるとグロリアの存在はなかったものになり、さらには自分の人生そのものがまるで違うルートを辿る流れ。

母親のベラは当然パニック状態。
「自分だったらどうなるかな?」と想定してみたけど、正気ではいられないと思う。
この作品の上手いところは、元の世界と後の世界の中でベラだけは元の記憶があり、その記憶が作られたものではないか?と、ベラと共に鑑賞者を疑心暗鬼にさせる部分。
何が本当で何が嘘かわからないまま、無数に散りばめられたキーファクトを繋ぎ合わせていく過程で全容が見えてくる形。
正直、何度か見直して確認してしまうくらいに複雑だった…

終わりへ向かうに連れ、伏線は回収されていき「あぁそういうことか!」と理解するわけだけど、細かい部分に「でも、なぜそうなるのだろう?」という疑問符もいくつか。
時空間がいくつか存在するストーリーはやはり難しい。
でも最後まで考察しつつ見られるのが楽しく、“愛”も絡む好きなタイプの作品でした。

ちなみにはじまってすぐ思ったのは何か聞き覚えのある声とスペイン語の発音だなぁと。
「あれ?このひともしや『ペーパー・ハウス』に出ていた教授?」と思いたち、調べたらやはりそうだった!
国ごとに有名なタレントがいて映画やドラマで繋がっていくのも映画の面白い要素!

〜ちぃちゃんへ〜
チョイスありがとう。
型にはまっているようでいて、新しく見せる形のタイムパラドックスな物語が自分的にハマったけど、どうだったかな?
ただ、これ…全てを解き明かすのはかなり難しいね(笑)
ハル

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