狂犬の法
我らは審判者なり
【ひょうきんこそアメリカ映画の渋さ】
タランティーノ作品とガイリッチー作品を足して2で割ったような作風。90年代アメリカ映画特有のひょうきんな言葉付きと、イケてる狂人たちの織りなすハードアクションコメディ。アメリカのコメディは時代を経るごとになんだか大袈裟になってゆくが、当時の映画には辻褄と言葉選びの頓珍漢による独特の笑いの均衡がある。私は、アメリカ大衆映画の笑いはこの時代に習うべきだと今のところ思っています。
「パルプフィクション」
「デスペラード」
「ロックストック&トュースモーキングバレルズ」
90年代後半は本当に良作が軒を並べ散らしていて、なんとも圧倒される。今作「処刑人I」も並々ならぬ完成度によって、当時の気迫を駄々洩らしにしている。なんともありがたいことである。
【デフォーの女装伝説】
意外と美人だからほんとに困る。観ている身としては本当になんとも言い難い気持ちにさせられる。某スニッカーズのCMのマリリンモンローのコスプレも眠れない夜が続くほどには強烈であったが、今作の開脚パンチラはそれを凌ぐ神話級の深み()があった。そして今宵、私はおそらく神話級の悪夢を見るだろう。
【まとめ】
上品なくだらなさであった。そして悪を逃さぬ鋭利な眼光と、鉛の制裁には鳥肌もののかっこよさがあった。これは続編を見ぬ方が失礼だろう。