えむ

処刑人のえむのレビュー・感想・評価

処刑人(1999年製作の映画)
5.0
なんで今まで見なかったんだろうと思うほどすきだった。映画っていくらたくさん見ても絶対まだ見てないど好み作がわんさか出てくるから恐ろしくて面白いですよね。

正直みんな大好きでしょうという、イケメン双子兄弟が主人公の当作。
お揃いの服も、サングラスも、儀式的な"処刑"の作法も、厨二病的滾り不可避のかっこよさ。
悪人を裁くという彼らの正義に準じながら、親友身内をとても贔屓する人情もあり、ダークヒーロー的、パニッシャーなんかを思い出す雰囲気もあり。

また、中盤過ぎまでこの兄弟を追う立場のFBI捜査官を演じるウィレム・デフォー。もう、すごい。今より若くてかっこいいと思った初出の感想は一瞬で、LEONのゲイリー・オールドマン以来の狂気&セクシー系捜査官。音楽聴きながら推理を進めるシーンもスタンフィールドに被ってとても良かったし、さらに怒涛の如く魅力と癖を重ねていく。

物語は兄弟の"処刑"と捜査が追いかけっこで進むが、途中、推理が兄弟の行動とオーバーラップする演出が最高によかった。

そして、ウィレム・デフォーさん、終盤でまさかの決断を下す。びっくりした。さらにその後もびっくりしたので何も調べずに見て欲しい。
なんとなく、遠藤憲一さんを思い出した。圧巻でした。

そんなびっくりも冷めやらぬ中、最後の最後も「お前!そうだったのか!」となる大オチが。ぞくぞくしてしまった。ありきたりと言われたらそうかも知れないけど、何も知らずに見たのであまりに「すき」な展開でしかなかった。

エンタメとして余すことない110分を堪能させてくれつつ、エンドロールの倫理観がしっかりしていて冷静なところも好感。

昨今はまた、正義とは、法とは?というアンチヒーローのようなヒーローが流行ってる気がするので、今の時代見ると中々考えさせられるなという気分でした。

とにかく、イケメン双子兄弟は最高だなと思い知らされました。
双子キャラの、兄っぽさ弟っぽさが垣間見える瞬間がたまらなくすきなのですが、そういう点でも満足でした。兄推しだったけど、弟最高に良かったです。
えむ

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