このレビューはネタバレを含みます
マフィアを殺したことをきっかけに悪人裁きに目覚める兄弟を描いたクライム作品。局地的に人気があるイメージ。
てっきりハードボイルド要素が強めの作品だと思っていたが、意外に重たいテーマのある一本だった。宗教、私刑、善悪。一貫してこれらのテーマを表現しており、見応えがあった。
現場検証でスメッカーが殺害の様子を推理するシーン。最後の激しい銃撃戦を語る際に、兄弟の仲間かのようにリンクする演出は見事。この辺りで彼の善悪はぐちゃぐちゃになっていたに違いない。
ただ、扱うテーマの割に踏み込み方が浅いと感じてしまった。兄弟が善悪の狭間で揺れる姿がもう少し見たかった。