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TENET テネットのshihoのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.2
【世界は私達の知らないところで、誰かによって、何度も救われているのかもしれない】

この映画は二周しろ!
1周目、マジで殆ど分からなかった。なんか世界を救おうとしている…くらいしか分からず「えーと今主人公達何がしたいんだったっけ??」と目的さえ迷子になる有り様。たまに出て来るロバート・パティンソンがカッコ可愛い事、映像と長身美女が綺麗な事だけを助けにとりあえず最後まで観た。

ネットで解説を読み漁って8割くらい理解して2周目を観ると集中して見られて面白かったけど、一時停止したりしてよ〜く観なきゃ分からないことも多かった。

1周目は通常通り・2周目は(大体の解説を読んだ後だったので)逆行の視点になるので、そういう意味では他にない体験は出来たと思う。

逆行で未来から来ている人の動きはなんとも不思議な感じで、更に言うと初見時の登場人物達の会話内容もほとんど分からなかったので、本物の未来人を見ているような気味悪さを感じた…ほんとにタイムスリップがあったらこんな感じなのかもと思った。

これに比べたら同監督のインセプションはすごく親切だったなと思う…。インター・ステラーも初見でもまだだいぶ理解出来た。ダンケルクはだいぶ不親切だった(笑)けど、体感する映画だよね感はあったかな…。

すんごい事してるんだけどあんまり「ここが見所だぜ!イエーー!!!」ってやらないんだよね(やってても、くどくない)。そこもカッコいいし好きだけど、今回ばかりはもう少し気持ち良くさせてくれる部分が欲しかったかも。

インセプションでもそうだったように、ノーランの世界観って"すんごい力(技術)を使って世界を思い通りにする話"じゃないんだよね。簡単にハッピーエンドにしてくれない、"総力を尽くしてバッドエンドからビターエンドにする話"って感じ。
「現実はそんな簡単にはいかない」っていう揺るぎない価値観を感じる。観ているともっと皆でハッピーエンドして欲しくなっちゃうけどそこがノーランなんだよな…といつも通りほろ苦く切ない気持ちで終わったのでした。

大事なシーン一時停止したり巻き戻したりして何度も観たけど、やっぱり相当分かりにくいぞ…。最後の作戦とか青組何してんのか殆ど分からなかったし…。映像凄いんだからもっと分かりやすくする努力はして欲しかったですよね。

あと、会話がパッパッと速く進むので体感シンゴジラみたいだった(あそこまでじゃないけど)。安いドラマやってんじゃないんだよ〜っていうのは分かるけど、もう少し感情移入する余地がほしかった。特に主人公はドヤるばかりでいまいち台詞に何も乗せられていないように感じるシーンが多かったな。
(追記 重要シーン見直したけど、これアレですね、日本語字幕にもやや問題あるかも…。
会話が高速なので一言あたりの字幕表示時間が短い→必然的に短い訳になってしまって正しい意味が伝わりづらく、なんだか味気ない会話をしているようにも感じてしまう。最後の会話シーンを吹替で観たら意味が分かりやすかったので。)

ロバート・パティンソンは人間味のある魅力的な役でしたね。笑顔がキュートだし何着ても似合ってて目が幸せでした。彼はこの映画のために髪の毛金髪に染めたそうですね。それだよ……金髪が似合ってカッコいいんだよ……ありがとうね……!!!
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