Ginny

TENET テネットのGinnyのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
3.5
ハリポタ役者が3人も出ていてなんだか嬉しかった。
秘密の部屋のギルデロイ・ロックハート役ケネスブラナー。
炎のゴブレットのセドリック・ディゴリー役ロバートパティンソン。フラー・デラクール役クレマンスポエジー。

タイムリープ系はあるあるの設定ですがよくシナリオが練られていて伏線回収が丁寧にまとめられていました。
一巡目(?)の時点でフラグがビンビンなので、逆行でのことが少し予測できるカメラワーク・編集なのは、複雑な設定ゆえの親切設計なのでしょうか。

建物爆破や大型車のカーチェイスはダークナイトぽさがあって萌えました。

時間を巻き戻して、何か行動するときについては『ハリーポッターとアズカバンの囚人』の本を読んだ中学生の頃から謎なままで、わかりたくない気持ちが強いです。
わかってしまうと、段階が進んでしまう気がして。無知なままでいたくなる。

ハリーポッターで言うと、一巡目シリウスとハリーにディメンターが襲いかかった時湖の向こうからパトローナスを出してディメンターを追い払ってくれたのはお父さんの亡霊だとかなんとか言うけれど現実では、自分だったと二巡目で自分が行動して知る訳で、今作のキャットの行動が同じだと思われますが、その行動を自分が理解した時、時間逆行の行動が成功だとわかってしまうんじゃないのか?がずっと疑問です。

成功するか失敗するかわからない状態で時間逆行を行うのに。
道理が通ることがわかった瞬間勝ち確ってなんか、そんなもんなの?と謎。
その行動に気づいたときに、そのルートが成功ルートに分岐したのか、堂々巡りをルート内でしてるのか、失敗ルートは別次元で存在してるのか。作品ごとに違うのかな、と思ってます。

絶対成功することがわかってる勝ち確コース感のあるストーリーに思えたので、鬼気迫る感じがこの映画からは私は感じませんでした。
成功の有無は重要じゃなくて、多くは語られない人物の設定や関わりが明るみに出ることの方がこの映画では重要視されていたのかな?

なんかニールは羽川翼みたいなこと言うなと思った。

逆行の動きは、PerfumeのMagic of Loveの逆再生MV撮影の動きを思い起こさせました。
主要な動き対その周りで時間の流れが違う映像は、同じ角度をキープしたものを繋ぎ合わせれば可能かなと『ハリーポッターと死の秘宝part1』のダーズリー家での7人のハリーの映画の映像を思い出してあまり感激はなかったのですが、戦闘シーンは大勢の人が行き交い混戦する中での順行逆行の入り乱れっぷりが見応えありビルの逆行→爆破も凄かったです。

冒頭、映画が始まっていく中でのその世界での力関係や動きの話は、地政学を思い浮かべました。本を読んだだけですが、哲学とか世界の地理や歴史に関する本を読めば読むほど海外の映画製作者はそれらを知識として持ち合わせて映画を作り、自然とそれらのエッセンスが組み込まれメッセージとなり人々に伝わるんだな、色んなことが繋がってるんだな、と気付き、だからこそ映画は常に政治的であるべきとしみじみ思います。
生きてる人たちが作ってるなら、今生きてる世界のことが創作物に染み出て当然だよなっと。
Ginny

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