ウーピーブロンズバーグ

TENET テネットのウーピーブロンズバーグのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.4
 「時間を操る」という映画がもつ力をこれでもかというほど見せつけてきた怪作。
 
 「時間の逆行」を逆再生でそのまま表現してしまうとは、、、。結果の後、原因と過程を見せる『メメント』式後出し伏線回収がとても痛快。
 
 話がややこしいのは観客は勿論、監督自身もわかっているはず。そこに重点を置くのではなく、なんか「ヤバい映像を見た」という感覚を大事にした作品だと感じる。コロナ禍で映画館の危機を感じたからこそ、映像のもつ力、スクリーンで見る意義を追求したような作品を撮りたかったのだろう。

 同じコロナ禍映画の『NOPE』と同様に、『TENET』も自分を見つめること・自分自身が自分という物語の主人公なんだという帰着にコロナ禍ならではのメッセージを感じる。

 ニールとの友情、自由を手にしたキャサリンのダイブはとても美しかった。