毎度の超長編に身構えてしまい、ようやくの鑑賞になってしまったけれど、観終わってみれば納得の満足感。
意識構造にまで踏み込んだ視覚世界のインセプションとはまた違う、エントロピーの可逆性にフォーカスした時空間入り乱れての迫力満載のサスペンスだった…最後にはヒューマンドラマのおまけ付き!
理系な自分には毎回、心揺さぶられるテーマだけど、それにしても難解な物理的概念には敬服。
核分裂に依拠した核エネルギーを核融合に変化していくというブレークスルーにより、増え続けるエントロピーを可逆的にするアルゴリズムを構築することで、時間すらも可逆的にするという、タイムリープとは異なる時間を取り扱ったSFサスペンスな物語。
私的な理解としては、エントロピーは増え続ける…
「物事は放っておくと乱雑・無秩序・複雑な方向に向かい、自発的に元に戻ることはない」
という物理的概念を覆す世界観と映像世界には圧倒されっぱなしで、パーツ、パーツのシーンとアクションだけでも見応え充分すぎてあっという間の2時間半だった。
さらにサントラが本当にカッコよかった。
少しネタバレになってしまうけど、環境破壊や生態系の悪化に耐えかねた未来の人類が時間軸を反転させて生きていくことを決断することや、その錯綜する時間軸が生み出した人間性のある回収にはなんとも恐れ入った。
さらにサントラまでカッコいいということで、久しぶりにクリストファー・ノーラン熱が爆上がりしてしまった。
とはいえ難しかったのでもう一度観て理解したい。
あと、「僕は明日、昨日のきみとデートする」がちょっと本作を暗示していたかのようだなと過ってしまった。。。