犬里

TENET テネットの犬里のレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.0
初見。1回観た程度では全容を理解しきれない、すごく作り込まれたSF映画という印象。
しかし、悪い奴がシンプルに悪くてブレない(敵が誰か分かりやすい)のと、主人公側の味方もはっきりしているので、大筋はシンプルで話を追いやすいと感じた。
主人公は徹底して名前を呼ばれないのね。名も無き男が「主人公」であり壮大な戦いの中心人物になっていくという仕掛けが良い。
複雑な展開が、ニールと名も無き男の友情物語に帰結するのが、話の終わり方として良かった。序盤でも死んだ仲間のために泣くような優しい性格であることが表されている彼が、ラストでもニールのために涙を流す。そういう優しい彼の人柄をニールは信頼したんだろうし、その性格の彼がニールを信頼して過去に送り込んだということの重さに思いを馳せる。
激しいアクションシーンなのにBGMが落ち着いてて荘厳だったり、逆再生のようなBGMが流れたりと、音楽もすごく凝っている作品だと感じた。
順行vs逆行の取っ組み合いシーンとか、どうやって撮ってるんだ!?という感じですごい。
ケネス・ブラナーってポアロのイメージが強くて落ち着きあって優しい人の印象があったから、粗暴で恐ろしい酷い男の演技が鬼気迫っていて、演技力すごい!と思った。
犬里

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