KeigoSato

TENET テネットのKeigoSatoのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
4.2
ノーラン最新作ということでおそらく全映画ファンが待ち望んでいたであろう今作。時系列や時間軸の操作を多用してきた彼が初めて真っ向から「時間」そのものに挑んだ作品。まずはこんな状況の中での劇場公開、ありがとうございますというところに尽きますね。感謝。

物語の軸自体は非常にシンプルだったものの、時間の逆行というテーマはやはり難解だったので1回目は流れに身を任せて鑑賞しました。「考えるな、感じろ」ですね。細かい理解には至ってませんがご容赦を。

アイディア,映像,音響。この3点は文句無し。相変わらず映画の枠を飛び越えそうなくらい圧巻の世界が展開される。伏線回収もかなり丁寧で分かりやすかったが、今回個人的に足りないなと思ったのがキャラクターの掘り下げ。1人1人がステレオタイプ以上の役割を持っていないので『インターステラー』や『インセプション』で観てきたような壮大で深いドラマ性は感じなかった。そこに物足りなさを感じる人は居ると思う。まあそんなものまで描いてたら尺無くなるんですけどね。それにしても若干説明不足かなと。

そんな今作でニールは唯一魅力的だったキャラクター。「時間」をテーマにした作品でしたが「友情」へ着地する演出。『インターステラー』の「愛」への着地ほどでは無かったですが、あのシーンはグッときました。長い長い友情のほんの一瞬だけが切り取られた素敵な演出。あっぱれ。

名作では無いが傑作。そんな評価が似合うのかなと。

理解を深めるのも兼ねて次回はIMAXで観に行きたいと思います。迫力凄いんだろうなぁ。

P.S.
この手の作品は理系の友達と観るのが面白いかも。文系脳の僕とは着眼点が違って「なるほど!」の連続でした。

さらに追記
2回目IMAXこそ至高。評価4.1→4.2へ。
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