しゅう

TENET テネットのしゅうのレビュー・感想・評価

TENET テネット(2020年製作の映画)
3.7
字幕版を鑑賞。

ゲームのルールも登場人物の目的も五里霧中なのに、観客を強引に物語に引きずり込んでいくノーランの語りの腕力に感心。唐突に始まる時間逆行における予兆からアタックのタイミングも絶妙。

ただ、今作最大の売りである時間逆行の映像表現がイマイチ。

確かに最初は、「2020年に映画黎明期のフィルム逆回転を最新技術でやるか!」という面白さを感じたが、見せ方がまんま逆回転なので次第に単調に思えてくる。

特に対人アクションは凡庸で、矢張りノーランは人間のアクションを格好良く見せる力量或いは意欲が欠けているとしか思えず。ルッソ兄弟ならこのルール設定で、より斬新なアクションシークエンスをデザインしてくれたのでは、との無い物ねだりが頭をよぎる。

デンゼル息子は『ブラック・クランズマン』でのボンクラ潜入捜査官ははまり役だったが、こういうシリアス一辺倒のタフガイには違和感。
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