Ginny

魔女見習いをさがしてのGinnyのネタバレレビュー・内容・結末

魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

え…?こんな良い映画ある…?
20周年記念として単純に過去の主人公たちを配さずもここまで素晴らしい作品が出来上がるなんて。

映画公開時に絶賛されてましたが主役がどれみ達ではない、声優も本職の方じゃないというのが引っかかって二の足を踏んでいました。
テレビ放送するということで録画してみて、絶賛の訳がわかりました。

私がアニメや漫画を好きな理由、アニメや漫画をこんな風に好きになってほしい、といったようなアニメや漫画に対しての気持ち、関わり方が本作のスタッフと合致しているのでは、と感じます。

アニメや漫画の非現実的な世界を単純に現実逃避先にしたり、依存したり、はけ口にしたり。そういうものは良くないのではと思います。
現実を生き抜くために背中を押してくれたり励ましになったり道徳的な教えを与えてくれたり。そんな素晴らしい存在のものが多いと考えています。
幼い頃に触れる作品にそういった上質なものがあり、大人になってからも支えとして日々を頑張って生きるのが理想なので、本作の大筋はドンピシャに私にハマりました。

SNSで見かけたエルマーの冒険の和訳者の方の言葉を引用します。
「実在しない生き物が子どもの心に椅子を作り、それらが去った後に実在する大切な人を座らせることができる」。
フィクションだから、本物じゃないから、と馬鹿にする人がいるかもしれませんが、そのフィクションを作り子供たちに届けたいと作る人たちは実在の大人達で愛情を込めて届けてくれている。
今作を読んで改めてその思いは確信となりました。

リアリティのある現実要素のワード(フェアトレード、発達障害、奨学金など)を表面的に取り入れ現実感をプラスさせながらもファンタジックな要素やアニメならではのデフォルメ表現やおジャ魔女アニメ特有の作画が可愛くて、バランスが絶妙で良かったです。

魔法に頼ってみようと夢見がちなことを言うのも、魔法のようにうまくいかない現実の歯痒さも、でもアニメならではのトントンで進む部分も、本当の魔法は自分の中に…なところも盛りだくさんだけどとっ散らかっていなくて向かう先伝えたいことが明確に製作陣が作成したからこその完成度の高さなんだろうなと。脚本絵コンテの力に感服です。

主役3人も皆さんとっっっってもお上手で大満足でした。特にレイカ役の百田夏菜子さんはおジャ魔女感が素晴らしくて大好きです。表情も若さゆえか一番クルクル変わって可愛くて好きだなと思ってwikiを見たらハナちゃんに近いと書いてあり成程ハナちゃんが一番好きだったので納得です。
石田彰さんが出ててめちゃビビり倒しました。石田彰さんの声爆イケ…😭

世代がみんな知ってる♪おジャ魔女カーニバル、最初はしっとりしたアレンジでこういう感じなのかな?と思ったら最後にはきちんと当時の雰囲気のまま出てきて良かったです。小さな頃の3人がどれみちゃん達と同じ服を着て、のシーンも最高でした。

こんな素敵な作品を届けてくださりありがとうございました、と関わったスタッフの皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。
Ginny

Ginny