riesz77

空の青さを知る人よのriesz77のネタバレレビュー・内容・結末

空の青さを知る人よ(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

アニメだから実現できるファンタジー。割り切れて見れたので満足度は高いです。

交通事故で両親を失った姉妹。幼い妹のために尽くしてきたあかねと、そんな姉に対して申し訳ないと感じている高2のあおい。あかねと同じ31歳ということに加え、設定に惹かれて鑑賞した。

あかねの元カレしんのがキーパーソン。高校生のしんのと、31歳のしんの。2人を演じるのが吉沢亮。声の使い分けがとてつもなく上手くて、演者だなぁと。歌うシーンはそんなにだったけど、キングダムに続きすごい役者さんだと感じた。大河の主役に抜擢される理由がわかる気がする。

高校生の頃は将来に希望しかなくて無駄にポジティブだったのに、30代になって現実に直面し、こんなもんだよなァと、誰もが共感できる内容だったので、期待以上だった。アラサーならしんのやあかねに感情移入できる。夢に本気であればあるほど、思い通りにいかなかったときの人生にヤサグレる感じがよく出ていた。こんなハズじゃなかったのに、とほとんどの人が経験する現実をしんのが体現してくれていたので、あながち他人事ではない。

相生姉妹が本当の姉妹と思えないくらい2人ともまったく異なる魅力が作品を引き立てる。秩父の山に囲まれた閉鎖的な田舎が主な舞台。後半に堂からようやくしんのが出たときにあおいと空を飛ぶ開放されたあのギャップが良かった。あいみょんの『空の青さを知る人よ』も挿入歌として、絶妙なタイミングで入るから、それもあって、あり得ない展開でも許せてしまう不思議。

あかねみたいにずっと同じ場所で育つのは難しいけど、外の世界をみた後に戻ってくるしんののパターンならアリだな、という結論。ずっと東京はしんどい。秩父とかむしろ住みやすそう。いつか行こう。
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