あの煮え切らない最終回を見事にまとめてくれた劇場版。キャラ同士の掛け合いやそれぞれにフィナーレを持たせる脚本は素晴らしく、しっかりとガンアクションも挿入し、1時間50分隅々まで楽しめた。
ストーリーはドラマ最終回から時間は空いてるものの地続きになっており、ドラマの映像を挿入することによって登場人物の因縁を簡単に思い出せる。また、対立構造がわかりやすいので脇役のキャラクターにも目が行きやすいのがよい。私は最近ドラマを見終えたが、最終回から長い期間を経て再びデッドウッドを訪れるファンが楽しめる配慮が随所にあって非常に懐かしい気持ちになった。OPテーマや酒場など、懐かしい物ばかりだが、sheliffからmarshalに変わり、電線が設置など新しい時代の到来も描いており、この物語の完結を非常に感じた。
ドラマ本編では西部劇ガンアクションは少なかったが映画ではふんだんに盛り込まれているのでそのような点でも楽しめる作品になっている。元々デッドウッドは一般的に予想される西部劇物ではない為、そこまでガンアクションがあるわけではないが、今作ではまるでサービスのように盛り込まれている。これが今作がただのドラマの劇場で終わらない所以であると思う。
デッドウッドは登場人物の生活や掛け合いが非常に面白く、彼らの生活がこれからも続いて欲しいと思えるドラマで、今作もそのように思わせてくれた。この映画でデッドウッドはフィナーレを迎えたが、あの地で彼らは日々を懸命に生きることだろう。
