真っ黒こげ太郎

イップ・マン 完結の真っ黒こげ太郎のネタバレレビュー・内容・結末

イップ・マン 完結(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

神話になった男、ブルース・リー。
その魂のルーツとなった、唯一の師。
詠春拳の達人、葉問(イップ・マン)。

ブルース・リーを生み出した、奇跡の拳―――。
その拳は、伝説となる!!!



妻亡き後、今まで通りに武術を教えつつも反抗期を迎えた息子と共に暮らしていた葉問(イップ・マン)。
だが、その体はガンに蝕まれており、更に息子が問題を起こして学校を退学にさせられてしまう!!!
そんな中、アメリカに在住して道場を開いているかつての弟子、李小龍(ブルース・リー)が参加する空手大会に招待されたイップ・マン。
イップ・マンは息子の留学先の学校を探すために、息子を知り合いの刑事に託し、アメリカのサンフランシスコへ向かう!!

学校留学の招待状を貰いにチャイナタウンの中華総会へ来たイップ・マンだったが、太極拳の萬宗華(ワン・ゾンホア)に、「あんたの弟子は決まりを破って西洋人に拳法を教えてる!!」と断られてしまう。

その後、ワンの娘のルオナンと知り合い仲良くなるイップ・マンだったが、チャイナタウンにアメリカ軍の空手軍団が乱入!!!
中国拳法を排除しようと目論んでいた鬼軍曹バートン・ゲッデズの手によって中華総会の面々はフルボッコにされ、タイマン勝負でバートンに挑んだワンも重傷を負ってしまう。
イップ・マンは誇りを守るために、バートンに勝負を申し込む。
受け継がれる誇りを守るため、イップ・マン最後の戦いが始まる!!!!




ブルース・リーさんの師匠にして、詠春拳の達人である葉問(イップ・マン)の激動の人生を描いた、カンフー・アクション・ドラマシリーズ第四弾にして完結編。
ドニー・イェンさん史上最高傑作のシリーズとして10年に渡って描かれた「イップ・マン」シリーズも今回で完結を迎える。
原題にも「完結編」が付けられており、まさしく「これが最後!!!」と言わんばかりの気概を感じます。w


そんな10周年記念作にして最終作となった本作。今回もその完成度は折り紙付き。
熱く見ごたえのあるドラマと、凄まじいアクションの連続で最初から最後までアツく楽しめる素晴らしいカンフー・アクション映画となってました。

もうドラマもアクションも最高なのは語るまでもないので(おいおいw)もうどっから書いたらいいか分からないが、とりあえず好きな所を思いつくままに書いてゆく。

もはやお約束となりつつあるカンフー・アクションは言うまでもなく最高。
ドニーさんの凄まじい詠春拳も円熟味が増しており、動きは華麗ながらも凄まじい速さで拳打を入れてゆく。
中盤の達人同士のカンフーバトルに後半のアメリカ人空手とのバトル。そしてクライマックスの軍隊格闘技との大バトルと、ボリューミーで最高なファイトシーンの宝庫。
中盤のブルース・リーVS空手家のバトルも素晴らしい。


更にそれに連動するように今作はドラマも面白く、ドラマを挟む静かな場面でも飽きさせない。
イップ・マンとワンが少しずづ仲良くなってゆく描写や、ルオナンとの交流を得てイップ・マンが息子との関わりを改めてゆく家族のドラマもしっかりした出来で面白い。
アメリカ人に差別を受け虐げられている中で、正にヒーローの如く立ち上がるイップ・マンの姿はいつ見ても胸熱です。


役者陣もしっかりしたアクションと演技で答えてくれた。
イップ・マン役のドニー・イェンさんはもう完全にハマり役。
ヒーローとしてカッコいい上に人間味もあり、アクションシーンでは凄まじいアクションで魅せてくれて最高にカッコ良かった。
顔も何処となく貫禄が付いており、正に「達人!」と言った風貌がしっくり来る素晴らしさだった。

ワン・ゾンホア役のウー・ユエさん、コリン・フレイター役のクリス・コリンズさんも見事なアクションを披露。
「SPL3」は(色んな意味で)凄まじい内容故にあまりアクションは印象に残らなかったのですが、今作では最高にキレッキレなアクションを披露してくれました。

そしてブルース・リー役のチャン・クォックワンさん、もう完全にリーさんのエモいムーブを完コピしてる!!!w
カンフーの動きもキレッキレで、初めて見ましたが、この人の出演してる作品も見たくなりました。

そして忘れちゃいかんのが鬼軍曹バートン役の人。
次世代のヴァン・ダムにして次世代アクションスター、スコット・アドキンスさん!!!!
今回は冷酷非道なごりっごりの悪役軍人を演じてるのですが、もう最初の登場シーンからしてワルそう!!
他の作品のアドキンスさんはラスボスなのに中間管理職で悲壮感があったりして、善玉主役の方が悪そうだったりしたのですが、今回はちゃんと悪そうな悪役を演じてる!!!w
カンフーの使い手を回し蹴りで纏めてボコって容赦なく腕や足を折るなど正に情け容赦ナシのヒールっぷりを発揮した。
そして最後は毎度おなじみの凄まじい回し蹴りをガンガン披露し、正にシリーズ最凶の敵として立ちふさがった。
アドキンスさんの悪役作品を全部見てるワケじゃないが、今作はアドキンスさんのベスト悪役だと思います。
(因みにアドキンスさんは「イップ・マン 葉問」で悪役ボクサーを演じていたダーレン・シャラヴィさんと友人同士だったそうで…。)

クライマックスで描かれるドニーさんVSアドキンスさんの凄まじいラストバトルは最高に盛り上がります!!!
力技中心のアドキンスさんに対して詠春拳の技で答えるドニーさんの大バトルは格闘アクションファンは必見でしょう!!!
後、戦いのクライマックスでアドキンスさん一瞬だけ見せるヴァン・ダムさんオマージュのムーブを見逃すな!!!!


…もうここまでの時点で最高すぎるのですが、戦いが終わり、木人椿を打ちながら今までの戦いを振り返りながら流れる回想シーン。
最初から最後まで虐げられた人々の為に戦い続けたイップ・マン。
正にシリーズ集大成に相応しい。
そして最後は…。


もはや俺が語るまでもない、ってか俺の語彙力じゃ語り明かせない位、最高の作品となった「イップ・マン」シリーズの集大成。
その生き様、伝説を目に焼き付けました。


…細かい事は言わん。是非見てください。
シリーズを見てない人は是非1作目から順に見て欲しい。

後世に語り継がれるべき功夫アクション映画界の永遠の傑作です。


さよなら、葉問(イップ・マン)。

…そして。

ありがとう!葉問(イップ・マン)!!!!