ちか

ひとよのちかのレビュー・感想・評価

ひとよ(2019年製作の映画)
4.2
閉鎖された地方都市、周りからの排斥、壊れた家族、帰郷、、キーワードだけでも好きなやつなのに!さすが白石作品でした。

デイアンドナイトとかビジランテとか、最近だとヤクザと家族とか、好きな人絶対好きなやつ。
松岡茉優とお母さんのシーンは洋画のボルベールも思い出す。

お兄ちゃんが壊れたように「母さんは母さんだろ」って繰り返すけど、本当にそれに尽きるなと思う。家族はどうしたって憎みきれない。

個人的には東京に出てきた次男に自分を重ねてしまう。
半ば捨ててきたような形であっても、故郷では同じように時が流れていて、そこで暮している人がいる。その事実に目眩を覚えるような感覚もあるけど、自分もその家族の一員であることは変わらない。
家族にはその家族なりのストーリーがある。それを家族以外の人と共有するのは難しい。
お兄ちゃんが「稲村家の問題だ」って言った気持ちも分かる。
なんか、どれだけ仲のいい友達でも結婚式で家族を見ると、自分が知ってることってほんの一部なんだなって思うのと似ている。

それにしてもやっぱり兄弟っていいなあ。
あまり人付き合いをしないうちの父も兄弟とは仲がいい。そして、せっかく仲がよかった兄弟が親の介護やお金のことで仲違いしないように、って言っていたことをしみじみ思い出す。

追記
書き忘れたけど、母ちゃんめっちゃいいなあ!
ちか

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