このレビューはネタバレを含みます
全てが冗長
死んだ方がマシ、万死に値するような罪に対して私刑を行うことへの是非が描かれる
裁けない罪を題材にしている点は高評価
一方でプロットは驚くほど平凡で薄く、原稿用紙一枚で多分事足りる程度の出来
そのくせ上映時間は2時間を超えているため、当然の事ながら全体が間延びしている
また話の随所に「そうはならんやろ、なっとるやろがい!」というご都合主義が盛り込まれており感情移入もしにくい(例:嫌がらせを受けるのを解りながらウェルカム状態のタクシー配車場、息子の非行一回で全てを捨てて酒瓶片手にタクシーを転がす元ヤクザ、ほぼ初対面の人と殴り合って親子関係になる次男坊と元ヤクザ等…
その人にとっての一夜、一晩のうちに何かが激変する、人の世というようなタイトルに推測されるが、最後の劇中のセリフがリンクするにはインパクトがあまりにも弱い
総評すると邦画独特の間延びしたストーリー、唯一の人間ドラマの部分である次男の心境変化もご都合主義で台無し、取り上げた題材はまあまあ良かった、と言う作品だった