ジム・ジャームッシュの作品をそこまでがっつり観てきたわけではないけれど、コーヒー&シガレッツやパターソンが好きな私にとって、あの絶妙な会話劇と空気がこの映画で味わえるとは思っていなかったので鑑賞中少し興奮しました。
クセというか、アク抜き忘れたエグみのような。作品全体を通してシニカルに満ち満ちてる。
ロメロのゾンビ像を拡張したかったと語ったインタビューを読んだけれど、そうか、ゾンビは私たちなんですね。
ウォーキング・デッド的なゾンビものを期待してこの作品を観るのは賢明ではありません。
でもアダム・ドライバーは相変わらず良きでしたし、キャストは本当に豪華。
鑑賞者である自分を含めた第四者くらいまで出てくるこのどこか奇妙な映画は、社会的距離と、世界に拡大する不穏までもが作品の一部なのではないかと思えてくるから不思議。
