KazutoshiShirai

雪に願うことのKazutoshiShiraiのレビュー・感想・評価

雪に願うこと(2005年製作の映画)
4.2
舞台は帯広のばんえい競馬場。東京で事業に失敗して戻ってきた主人公の学と、粗暴ながらもそれを受け入れようとする兄の威夫(としお)。疎遠だった13年間に、それぞれが重ねてきた想いがぶつかりあいつつも、帯広の雪とばん馬と気さくな人々がそれを少しづつ溶かしてゆく。
ドキドキや興奮は無いけれど、過不足ない脚本と演出、素晴らしい演技でほころびがない。紀里谷雄介のよくありそうなダメ男な感じも素晴らしいし、威夫役の佐藤浩市の不器用だが根底では弟を想う兄の役も完璧にこなしている。出過ぎてない小泉今日子も、芯のある吹石一恵も、この映画のアクセントにもなっていた山本浩司も素晴らしかった。