エトランゼ

雪に願うことのエトランゼのレビュー・感想・評価

雪に願うこと(2005年製作の映画)
4.2
東京で事業に失敗した男が故郷に戻ってきて兄と一緒に生活して再生していく、って聞くとよくある話じゃんってなるが、まさによくある話なのである。
でもそんなよくある話を丁寧に演出すると、アラ不思議、こんなにいい映画になるのかと驚く。

ロケーションと演出と演者が揃って良い。
伊勢谷友介の冷めた雰囲気や佐藤浩市の弟をまだ認めていない表情。やはり上手い俳優さんたちが出ると違う。
小泉今日子に最後に伊勢谷友介があるお願いをするのだが、それに対する答えもまたリアルで良い。

雪は映像に映えるわけだが、この映画では特にその雪が印象的だ。
昼間のシーンでは力強いばんえい競馬と相まって、どこか汚れたような下世話な雰囲気を醸し出し、夜中のシーンでは一転、幻想的に静かな世界を演出する。
なんだかわからないが、映像に力強さがあり、それがすごく心惹かれるのである。

根岸吉太郎、いい監督だなぁ。
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