けーすけ

9人の翻訳家 囚われたベストセラーのけーすけのレビュー・感想・評価

3.7
ベストセラー小説の完結編「デダリュス」。全世界で同時に発売を行う為、9人の翻訳家が各地から集められた。秘密保持の為、翻訳家達は外出もネットも一切できない隔離された地下で作業を行わせられる。ところがある日原稿の冒頭がネットに流出し「24時間以内に500万ユーロを支払わないと、次の100ページも公開する」という脅迫メールが届く。疑われる翻訳家達、一体誰が行っているのか・・・







密室系ミステリー映画、なかなか面白かったです。
話題作の翻訳作業の為に集められた男女9人。毎日の食事も豪華なものが提供され、参考図書も膨大にあり、フィットネス器具や観るのに一生かかる映画コレクションまで!(欲しい…)
ただし、ネットや電話、外出等といった外界との通信は一切不可という密室状況。

最初は戸惑っていた9人も徐々に親交を深め、翻訳も順調に進んでいったところにネットで小説が流出する事件が。


外界との通信手段が無いはずなのに、自分たちしか知らない情報が漏れており全員が疑心暗鬼になっていく様や、翻訳という言語能力を活かした緊張感あふれるシーンもあり最後までテンポよく楽しめる内容となっており、種明かしで「なるほど!」と思わされたトリックの中にもさらに騙す展開があり、うまく練られているな~と完全にヤられました。



翻訳家が9人おり、特に細かい説明もなくババっと話が進むので名前等を覚えるのが少し難しかったですが、中盤にはある程度理解できる作りなのでそこまで深く注視しなくても問題ないかと思います。
そういった意味ではキャラによって描写がかなり浅かったりするので、もう少し丁寧に見せてほしかったかも。

探偵もののように最後に一気に犯人&種明かしといった感じではなく、ある人物の事件後の状況が合間に挟まれ徐々に真犯人に迫る展開。色々と考えを巡らせましたが真相は当てられませんでした。残念!


しかしながら細かなミスリードや伏線があちこちにあり、観終わって真相がわかった後でも「あの時のセリフって…」とか、もう一度観返しても楽しめる作りにもなっております。


あとオルガ・キュリレンコの美貌だけでも一見の価値ありかと♪



2021/07/27(火) TSUTAYA DISCAS定額レンタルにて鑑賞。
[2021-063]
けーすけ

けーすけ