yuma

9人の翻訳家 囚われたベストセラーのyumaのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

エリックの秘書がよかったなぁ。文学が好きで入った出版社でパワハラを受けていても中々束縛を払うことができなかったのに、翻訳家たちと触れ合って、最後文学を選ぶっていう。
写真で客観的に自分を見つめ直すシーンがほんと良かったです。

アレックスがずっと言ってた「オスカルブラックと話がしたい」っていうのは、死んでしまったお爺さんと話がしたいってことなのか。
わんちゃんアレックスが著者かなって思いつつ見てたので、もしそうなら上の発言の意図が分からないよねって思ってたんですけど。そういうことなのね。すごく綺麗でした。
あと、カテリーナとのデダリュスに対する考察とかカテリーナのデダリュスへの愛に、アレックスはどう思ってたんだろう? そういう自分の作品をこんなに喜んでくれてる人を間近で見て嬉しかったのかな。まあ、嬉しかったからカテリーナに惹かれていったのかなぁ。

あとは、翻訳家たちがエリックに分からないように言葉を話すシーンが面白かったです。ただ、中国語の数字ぐらい分かってしまうのでは!?っておもちゃいました笑 フランスだと馴染みがないのかな??

途中腕が折れてる人を一人の犯人に仕立て上げようとしたのは、めっちゃ怖かったです。

8000万ユーロの使い道は上手だなって思いました。ほんとにアレックスによるエリックへの復讐劇でした。それと同時に、文学が持つ人の心を動かす力を感じました。

ただ、なんかどんでん返し感とか騙された感はあんまりなかったです。なんでだろ?ユージュアルサスペクツに似てるなって思った時点で全てを疑うスイッチが入ったのかもしれないです。それを差し引いても犯人に重点を置かれた映画ではなかったので、あまり面白さが減ったとは思いませんが。

アレックスはデダリュスも書いたけど、この映画を書き上げた張本人だと思います。彼が思い描いたシナリオ通りに物語が進み、綺麗な構造が作られていました。
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