ダイナ

サスペリア PART2 完全版のダイナのネタバレレビュー・内容・結末

サスペリア PART2 完全版(1975年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

サスペリアの続編ではないのにこのタイトルという。客の興味を惹きつけたいという配給会社の狙いに理解を示しつつもぶん殴りたい気持ちも。繋がり無しという前情報をおさえて鑑賞。ホラー要素ありのフーダニット系ミステリー作品、滅茶苦茶面白いじゃないですかー!傑作!

小物を舐め回すようなカメラワークのオープニング(11分から)が滅茶苦茶かっこよくて大好きです。全体的にBGMがカッコイイ。どことなくハードボイルドな刑事物のような、耽美にミステリアスといった印象。スリラーシーンの後のロマンスシーンに浮き上がるようなBGMは積み上げた恐怖を薄めてしまっている感が否めません。そういった点、ホラー作品というよりは色々なジャンル複合したミステリーという印象。

どういう技術だっつー人形が向かってくる場面や壁面よじ登りのスリルシーンも怖いかどうかは置いといて面白いです。墓場や体育館の備品配置から感じる美意識を感じる画作りがとても好み。人形吊るしのサイコ演出も最高!「サスペリア」と話の繋がりは無いものの死に際を鮮やかかつショッキングに演出する技は共通。火傷、殺傷、引きずり、エレベーターを利用しての末路も不謹慎ながら最高!ダイイングメッセージの気付きシーンの推理物的見せ方も良かったです。(あの文字が犯人の何を表していたのかは分かりませんでしたが)

何と言ってもクライマックスのひっくり返しが最高。序盤事件時カルロと茶色いレインコートは同一画面にいなかったっけ?とそのモヤモヤをマークが拾ってくれた時は「そうだよねえ!」とテンションMAXで頷いてしまう気持ちよさ。その後の「絵が無かった」という伏線回収も最高。なんかオカルト的なフワッとした勘違いだろう程度で深く考えていなかった所が最大の肝だったとは!やられた!そして壁画の不気味なチープ絵が現れる演出と左側に隠れた第三者の存在。最序盤で映された殺人シーンの足元から犯人は子供or女性?と予測させておいて少女登場は上手いミスリード!潤沢なアイデアにより演出されたカッコイイ美しいワンショットが沢山詰まっていて、予想以上に緻密に計算された脚本でとても面白かったです!
ダイナ

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