ゴブリンのテーマ曲がいいですね。デ、デデデデデデ。聴いた後つい口ずさみたくなります。原題のPOROFONDO ROSSOはイタリア語で深紅という意味で、勿論これは血の事を指すわけですが、もうひとつ血の繋がりという意味も込められていますね。抗いようのない母と息子の、捻じ曲がったと言いますか、強すぎると言いますか、こうなってしまった、或いはこうならざるを得なかった悲しい血の絆を差しています。ラストシーンの真っ赤な血溜まりに映る主人公のやるせない表情が後を引きますね。
ところでこの頃の血の、真っ赤というより朱色に近いドロっとしたペンキのような質感は今見るとなかなか味わいがあっていいですね。今の血は静脈を切って出る鮮やかな鮮血から動脈を切って出るどす黒い血まで状況に於いて様々ですが、この頃はすべからくこの感じでした。リアルではありませんが抑制の効いた映画的表現で好きです。
