けーすけ

さくらのけーすけのレビュー・感想・評価

さくら(2020年製作の映画)
3.3
2020/11/13(金) T・ジョイPRINCE 品川 シアター4 09:10回にて鑑賞。E-9。原作未読

都会で大学に通う長谷川薫(北村匠海)の元に父(永瀬正敏)から手紙が届き、薫は実家に帰省する事にした。久々に帰った家では母(寺島しのぶ)は元気そうに庭で植木の手入れをしていた。
薫は正直なところ愛犬・サクラに会いに帰ってきたようなものであったが、父が散歩に連れて行っているらしい。サクラを見ているとこの家にあった色々な事を思い出す。サクラを妹の美貴(小松菜奈)とともに貰ってきた日の事、そして今はいない兄の一(吉沢亮)の事・・・



以下、核心ネタバレはありませんが、そこそこに本編内容に触れた感想なので、未見で気にされる方はご注意ください。










長男が吉沢亮、次男が北村匠海で妹が小松菜奈だと?どんだけ顔面偏差値高い兄妹やねん!!と気になっていた本作。
小松菜奈ちゃん大好きな僕は早速観てまいりました。(もちろん吉沢亮も北村匠海も大好きな俳優です)


あらすじは読まずだったのですが、以前見かけた予告編で吉沢亮演じる兄の一(はじめ)が途中退場してる雰囲気だったので、てっきりミステリーかサスペンス要素があるかと思い込んでしまってました…。
家族や友人にまつわる愛や繋がりを描いた物語でした。



役者目当てで行こうかどうか迷っている人に先にお伝えしておくと、吉沢亮と北村匠海がお風呂で身体を洗いっ子するというシーンや、彼らの学ラン姿が拝めます。
小松菜奈は短めのホットパンツ姿やセーラー服姿など終始眼福。扇風機に向かって「あ゛~~~」なんてする姿は悶絶モノでした。
この3人が好きなら見て損は無いです。

あとは長谷川家の愛犬サクラ。“ちえ”というわんちゃんが演じている(?)ようなのですが、名演技というか良い子すぎてめちゃ可愛かった~。




物語は薫が小学生の頃、後に家族の一員となる犬のサクラを美貴とともに連れ帰ってきた時の回想から始まり、父親と母親のなれそめや餃子にまつわる話、美貴が生まれた時の兄2人のエピソード、父親の浮気疑惑など、家族それぞれの話が時代の流れにそって描かれます。

仲が良さそうな家族だけど、徐々に美貴の行動が不審に…。そしてそれは兄の身に起きた事によって浮き彫りとなり、家族の繋がりに軋みが生まれるさまと、一が最後に出した答えがとても苦しかった。

ただ、本当に色々な話を詰め込んだ印象が強く、トランスジェンダーと思しき人のくだりや、美貴の友人の同性愛エピソードなど、全体的に薄味に感じてしまったのが残念。


また、長男の一が1979年生まれ、薫がたしか1980年、美貴が1984年生まれという設定だったので、年代的には1995年~99年くらいが物語の中心になってるのかな、と。そんな感じで年代をわりと強調したわりに時代ならではのエピソードが特に無かったのもなんだか勿体なく思えたところ(千円札が出てくるシーンがあるのですが、肖像が2004年に切り替わった野口英世だったような…)。




ちょっと辛口になったけど、劇中には
“嘘ををつくなら愛のある嘘をつきなさい”
“神様は、俺らに毎日、ボールを投げてくる──”
など、印象に残るセリフが多々あり、おそらく原作小説でも使われているセリフだと思いますがどれもステキでした。

神様のボールに関するくだりは終盤での答えがめちゃめちゃ良かったので、ぜひ注目してみてください。




完璧な兄をすこし羨む薫役の北村匠海。ほんとここ最近の活躍が目覚ましいですよね。彼がただイチゴを食べてるだけのシーンにドキドキするとは思っても無かった(笑)。彼のモノローグを中心に話が進むのですが、語り口も好きでした。

一を演じた吉沢亮。超絶爽やかな感じと闇を抱えてしまった後の落差の表現が良かったです。来年からの大河主演も楽しみ。

妹・美貴役の小松菜奈。本作ではちょっと狂気を抱えた役柄だったのですが、目の動きやニヤリとした表情、どれをとっても目を奪われます。割れた鏡をポケットから出すところのシーンは狂ってて意味不明(褒めてます)。、これ以上語り出したら止まらなくなりそうなので「素晴らしかった」と簡潔に。大好き。



個人的に感情移入できる部分があまり無かったのが少し残念ですが、主演3人とワンコを見ていて楽しい映画でした。


[2020-170]
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