ラピュタん

わたしは光をにぎっているのラピュタんのレビュー・感想・評価

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)
5.0
詩情と風情の香る温かな傑作

話すのが苦手な主人公が、就職出来ずに銭湯で働きはじめるのですが、この銭湯がいい
銭湯の良さを映画で表現すると、このような作品に仕上がりました!って感じです

松本穂香さんの魅力全開ですし、光石研さんの味わいも胸にグッときます
渡辺大知さんも爽やか!

ひっそりと、容易に失われてしまうものへの眼差しにじいぃん
監督の映画への思いも感じられます
映像には、いつもほんのりと詩情が感じられます

時々再訪しては繰り返しひたりたくなる湯加減の愛すべき作品ですが、家族全員で観ても楽しめると思います!

時おり脱衣所まで聞こえて来る風呂桶の音のように静かな作品ですが、温かい🟡
秋冬におすすめ しっとりと味わえます♩



⭐️光は…たとえば
 主人公にとって「居場所」でしょうか
 町にとっては「銭湯」や「商店街」
 銭湯の光は「湯」
 私たちにとっては…「この作品の魅力」
 監督には、「映画」と「言葉」かなあー
 
⭐️光は、言葉  詩から

 つかまえた
 手に握ったのは、何?
 それが無かったらと思うと怖かった
 掌を開く勇気がなかったのに
 今はもう気づいたのだ
 わたしは光を握っている

 作品から受けるのはこんな印象でしょうか

 山村暮鳥の詩が素晴らしいので、ぜひ
 オリジナルを味わってください
 
 〝自分は光をにぎってゐる
  …
  くるしければくるしいほど
  自分は光をにぎってゐる 〟
ラピュタん

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