ハマジン

制服私刑(リンチ) ねじり込め!のハマジンのレビュー・感想・評価

4.0
改題『黒タイツの制服 内緒の蕾』。
赤い満月の夜毎、マザコンで知恵遅れの男にメトロノームで催眠をかけ、自らの経血を舐めさせ女を暴行し殺害するよう仕向ける、セーラー服姿の少女森村あすか。そんな彼女を「ミヤさま」と教祖のように崇め、息子を近親相姦的に支配する母親。催眠で家畜化され全裸で檻の中に入れられた女に、檻越しに口紅を塗ってやろうとする男の哀切。陰部にスペードのエース(=死)が貼りつけられた、股を開く女の裸を描いたドローイング。表面を指で擦られキュウキュウと音をたてては催眠を誘い、その光で行き交う車だけでなく観客の眼までをも鋭く射貫く、鏡の硬質な悪意。閉塞したカルト世界、女ヴァンパイア等の枠を越え、おそらく遠くはディアーナ神話にまでこだまを響かせるほどの射程の深さ。佐藤寿保唯一無二の歪で狂気な世界。傑作。
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