シネマスナイパーF

クロール ー凶暴領域ーのシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

クロール ー凶暴領域ー(2019年製作の映画)
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最高に不謹慎だけど、今観るのが一番怖い気がする
内容はというと、超いい意味で過不足ない出来
めちゃくちゃ面白いってわけではないのがこの作品の良さ
いいラインのリアリティを持たせながら、しんどくならない程度の中身、そして尺にまとめてあるので、求めるものを腹八分目で収めてくれて胃もたれが全くしないスッキリとした気分で劇場を後にできる一品


この作品が本国でやたらと高く評価されている理由は、多分ウザさが皆無だからなのではないかと僕は思う
打開策を見つけるが実行した結果寧ろ事態は悪化していくっていう展開の繰り返しはパニックのテンプレートですが、この映画はくどくない
ものすごーくシンプルな父娘の関係の物語は、緊迫した場面ながら少しばかりのユーモアを感じさせる会話で割とわかりやすく説明を済ませる
これ地味に結構上手いと思った
そして愁嘆場も一回のみ
一回のみで済ませられるのは、メイン登場人物を二人に絞ったことが効いていると思う
主人公が水泳やってるってのもいい設定

じゃあ他の人物はいないのかというとそういうことではなく、ジャンル映画としてのサービスのために全力を尽くす
地元の馴染みの優男は展開に絶望感を与え、調子こいた若者グループは無惨に殺られていく
一番非道い殺られ方をする人は悪人ではありませんが、優男と同じような役割を担っているかな

あとワニが普通にワニなのがいい
モンスター的な敵にせず、あくまでマジで怖い動物であるワニとして襲ってくる
また、下手に実物の模型とかを作って映さずにCGだけでやりきったのは今回に関しては功を奏していると思う
完全ファンタジーな相手が敵なら実在感が欲しいので作ったほうがいいけど、今回のようなリアル志向な相手の場合は近年の技術の発展に身を任せた方が逆に不自然じゃないうえに予算がなくても頑張れちゃうから良かったのかもしれない
あとまったくもったいぶらずワニをガンガン見せていくのもストレスがないな


最近犬きてますね
犬が可愛いのでオススメです