演者スタッフ楽しそうで何よりだけど、ただ内輪で盛り上がってる感じで、その輪に入りきれない者へのサービス精神などまるで感じられなかった。
例えるなら、店員と常連客が異常に仲が良い店に間違えて入ってしまった時の居心地の悪さと似ている。
自分向けではないとわかっていたが、案の定、終始疎外感を感じながらの鑑賞だった。
ファンが楽しめればそれで良いと思うし、外野からとやかく言うのはアレなんだけど、客商売をする以上それ以外の客への目配せも少しは必要だと思う。
コメディ映画にもかかわらず脚本自体に組み込まれた笑いがなく、その全てをアドリブに負っていて、そこに乗れなければ他に乗りどころがないのは、新規にまったく優しくないし、たまたまハマらなかったファンにも低評価を付けられかねない。
こういった現場のノリだけで押し切るスタイルは非常にリスキーなので今後もう少し考えた方がいい。
とっくに会話が終わってるのにカットかけずにアドリブ待ちする監督の独特のテンポは、TVドラマではスマホ弄りながら観てる視聴者の顔を上げさせるのに効果的だったと思うが、映画館ではそれがかえって間延びして見えてしまい、観客の目を逸らさせるきっかけになっていて、ポップコーンでもあれまだ間は持つが、なければ地獄。ながら観が許されるTVと、集中を強いられる映画館とでは演出を変えるべきだったと思う。
