ストーリーに大きな起伏があるというわけではないのだが、こちらの心は大きく揺さぶられた。
自然豊かな場所で、一風変わった2人のお爺さんとの生活は、ウォルターにとって非日常的なことが起こり彼の価値観を大きく一変させる。ファンタジー的要素はほぼ無いのだが何故かそう感じさせる不思議な物語。
独特なカメラワークで、特に宝箱の中からのアングルやライオンとのじゃれ合う場面はその場にいるような感覚にさせられワクワクしてくる。
酒場でハブと若者が暴れてるシーンが、笑ってるお爺さんと、助けないの?って困惑してる少年のコントラストがカオスで面白い。
「たとえ嘘臭くてもそれをお前が信じたいと思ったら信じろ。」
ハブの言葉。勇気が湧いてくるし考えさせられる。
ラスト30分の爽快感と緊張感がたまらない。ウォルターの葛藤や、自分の考えに反する敵を目の前にした時の決断、その瞬間の顔つきは、もう最初の弱い子ではなかった。
最後の最後まで2人らしい最高の生き様を見せてくれたし、成長したウォルターの姿を見て、彼が信じた事は間違ってなかったんだと思えた。